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Tuesday, October 23, 2007

そしてマエストロ・1

指揮者・ヤルヴィといっても、父・ネーメではなく、長男氏・パーヴォさんの方の話である。
ふとNHK様を見るとベートーヴェンが鳴っている。“おお。素敵な選曲だぞ”と思い注目すると、去年来日したらしいパーヴォ・ヤルヴィの指揮するドイツ(カンマー)フィルの演奏であった。
クラシックの演奏番組を鑑賞するとき、真っ先に注目するのは私も例に漏れず指揮者である(あたりまえか)。とかく観客席の方からの視界によるカメラワークでもって放映されがちだが、演奏者側からの目線で“指揮者がフレームインしている”パターンは、かつて指揮者を前に演奏してきた経験のある人間にとって嬉しい映像だ。背中から観るより、今、演奏者に向って何を求めているかを全身で表現している指揮者から音楽を読み取るのは楽しいし、何より習慣づいたごく自然な捉え方のひとつでもある。

この時も、習慣によってやはり何気なく指揮者に目をやると、パーヴォ・ヤルヴィ氏であった。ネーメ・ヤルヴィという、彼の父も有名な指揮者だ。(今調べて知ったが、パーヴォ氏の弟氏も同じく指揮者だそうだ。知らんかったー。)
“おお。”
思わず感嘆が声に出た。
なんと魅力的なマエストロだろう。失礼ながら、“嬉々として”と表現するしかないほど生き生きした様子で棒を振っておられる。演奏者から観ても、読み取りやすく、もしくはその指揮によってその音楽性が驚くほど豊かに膨らみ得るであろう指揮スタイル。ああ、素敵だなあと思いながら眺めた。もっというと、“ああ、この人に指揮されたらきっと楽しい演奏になるなあ”だろうか。
私ごときの経験者が言う筋合いのものではないが、『この人が指揮をすると表現がぐっとついてしかもラクに演奏できる』というタイプ指揮者は実際に存在する。演奏者は同じなのに、指揮者が交代するだけで明らかに違う音楽が出来上がる。これはある意味、飛行機が空を飛ぶより不思議に思っていることだ。当然のことといえば至極当然のことでもあるのですが。…とかなんとか思いながら、みずみずしく豊かな本日のクラシックナイトはああっという間に時間が過ぎたのであった。

本日のメニュー:「交響曲 第1番 ハ長調 作品21」 「交響曲 第2番 ニ長調 作品36」 「交響曲 第3番 変ホ長調 作品55“英雄”」 ベートーベン作曲

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